話は遡って、2024年12月25日。
夫の勤務していた会社でアフリカ絡みで交流が続くSさんと、夫の三人で2024年最後のゴルフを楽しんだ。
場所は、いつもの赤羽ゴルフ倶楽部。
荒川河川敷に長く広がるとても良いコースだ。そしてまた、なんとキンシャサゴルフクラブを彷彿とさせる雰囲気がある。植生なのか、ところどころに点在する池なのか、そこを目指してやってくる小鳥たちのさえずりなのか。
もちろん、キンシャサゴルフクラブは、町のど真ん中に広がる、”奇跡の”ゴルフクラブと言われるが、町の中心にありながら緑が半端なく深く、小鳥のさえずりもにぎやかで、池というより天然”沼”(蓮とホテイアオイがはびこっている!)がほぼ各コースに一つ、口を広げている。さすが、世界三大熱帯雨林の中のゴルフ場だという風情なのだが、それでもなんとなく赤羽ゴルフ倶楽部のコースを歩いているとキンシャサでプレイしているような気分になって懐かしくなってしまう。
12月25日は晴天。時々吹く風は川風で寒かったけど、すばらしいゴルフ日和だった。
日本では芝の具合が細やかでパターにいつも泣かされるのだけど、今回のプレイの最後でやっとコツがつかめたかも、なんて。
コース半ばだっただろうか、ふう~っと小さな虫が飛んできて、わたしの胸に留まった。
なんと、わたしの大好きなてんとうむし。フランスでは、蝉と同様に、てんとうむしも幸運と運ぶ虫と言われている。
しばらく、見つめてたら、「おーい」と夫から急かされる掛け声がかかった。
そっとてんとうむしを振り払ってもしがみついたままだ。
そのままプレイしていたら、いつの間にかどこかへ飛んで行ってしまった。
スコアは、相変わらず満足のいくものではなかったけど、健康あってこそ、18ホールを楽しんで回れたし、てんとうむしにも出会えてしがみ付かれた(うれしかった!)し、ランチも美味しかったし、クリスマスゴルフだったこともあってホッカイロ(冬季はホッカイロ、夏季の猛暑の日にはミネラルウォーターのプレゼントあり!)のほかにチョコレートが手渡されて、メリークリスマス💛と言い合って。平和な気分で終わることのできた2024年最後のゴルフでした。
そして、後日談・・・。
1986年だったかな。わたしたちがネパールのカトマンズに暮らしているとき。
夫はヒマラヤの現場に入り込んで何日も帰ってこず。気ままに2歳の娘とカトマンズの町なかを散策して、一服しようとアンナプルナホテルの喫茶室に入ったカウンターに、娘と同い年くらいの男の子連れの日本人女性が座っていた。
カトマンズ滞在のかただったらお友だちになってもらえるかも、と話しかけたことから始まった交流だった。もちろん、わたしたちがアフリカに行ってしまうと交信は途絶えがちになったけど、また赤羽に帰って来てからはずっと連絡を取り合う仲だった。気が付けばもう40年近くになるのだ。
ちゃきちゃきの江戸っ子のかのじょは、息子さんが小学校の半ばくらいまで世界中の珍しい地域を一緒に旅して回る活動的な女性だった。独り住まいになてからは、東京都のボランティア観光ガイドの活動もしていて、かのじょのガイドはさすが江戸っ子だからこその細かいところまで案内してくれる興味たっぷりの深いガイドだった。
そのかのじょが病に侵された。夫を数年前に亡くし、息子さんは結婚して、かのじょは一人で、好きな絵に囲まれて暮らしていた。
昨秋、かのじょから電話があったとき、全く他人事のように話す自身の病状にも、かのじょの度胸を感じた。半端なく肝が据わっていた。
かのじょのお宅にもいったし、我が家にも来て食事をして、元気そのものだった。
とにかく、体調の良いときに連絡ちょうだいねと伝えていたら、昨年11月末に緩和ケア病棟に入ったから会いに来てと電話があった。
そのときも、小腹が空くからベルギーのロータスクッキーとカカオたっぷりの板チョコをお願いねと頼まれたくらい、元気だった。12月初めの陽ざしのたっぷり入る明るい談話室で1時間半もおしゃべりして、また来るから体調の良いときに連絡してね、と言ってさよならしたまま、かのじょからの連絡は来なかった。
年末にもお正月にもメイルしたけど返信は来なかった。思い切って息子さんに葉書を出した。社宅の1階に住んでいると聞いていたので住所を調べて、普通葉書と速達の葉書で2通投函したうちの、速達葉書だけが息子さんのところに届いた。
24日に容体が急変して、もうじき25日に日付が変わるというときに亡くなりましたという息子さんからの電話だった。
最後の最期まで、かのじょらしく、凛!と生き抜いたのだなと思った。
そして思う。あのとき、わたしの胸に留まったてんとうむしはかのじょだったにちがいない。幸せにねとお別れに来てくれたのかもしれない。てんとうむしになって、というところがいかにもかのじょだな、と思った。
かのじょには、いつも会うたびに生きる姿勢のヒントをもらっていた。
そして、最後のてんとうむしにも強いメッセージをもらったと思う。ありがとう。
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